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2022.06.25

かつらぎ「築野食品工業」vol.1~ 国内シェアNo.1こめ油の秘密を聞きに訪問してみた!

かつらぎ町の24号線を通っていると「We have a dream in Rice Bran 米ぬかに夢を託して」と書かれた大きな看板のあるビルが目に入ります。

こちらが築野(つの)食品工業株式会社。
精米した時にできる米ぬかを原料として、こめ油や工業油脂、医薬品原料、食品、飼料添加物などを幅広く製造しています。


「こめ油」人気の秘密を探る

「『捨てる米ぬかから油をとって販売するんだから、もうかって仕方ないやろ』など言われますが、実際はそんなことないんです」と笑うのは、築野食品工業の第二営業本部、食用油脂2部の課長・岡崎さん。

実は原料の米ぬかは精米工場等からしっかりとした価格で購入しています。さらに、こめ油は歩留まりの悪い油。玄米360kgからとれるこめ油の量はわずか約3.5kgです。何度も精製を繰り返すことから、こめ油は、玄米から比較すると約1%ほどの収量しかない貴重な油なのです。

日本人の食生活におけるコメ離れが叫ばれて久しい昨今ですが、築野食品工業では一般販売分は国産の米ぬか100%でこめ油を精製しているそう。100%国産の油です。

そんな貴重なこめ油には、どんな素晴らしい点があるのでしょうか。

まずは抗酸化作用のあるビタミンEやトコトリエノール、コレステロール値の低下に役立つと言われる植物ステロールが豊富に含まれ、一般的な「なたね油」などの食用油に比べて栄養価が高いこと。

そして、抗酸化作用があるビタミンEやトコトリエノールを多く含むため、酸化しにくい油であることが挙げられます。酸化した油を摂ると、体内で活性酸素が発生し、免疫機能の低下をはじめさまざまな悪影響があるのです。

また、こめ油は、揚げ物をしている際に、匂いで食欲が減退する「油酔い」になりにくいという実際の口コミも多く寄せられています。「こめ油はこの油酔い物質の発生が他の食用油に比べてダントツで少ないのです」と岡崎さん。

(熱心に説明してくださる築野食品工業の皆さん。左から永野さん、岡崎さん、加藤さん)

さまざまな米ぬか由来商品を展開

米ぬかからこめ油を作るプラントを、本社屋上から見せてもらいました。

(広い工場敷地。先のほうに見えるアーチ型の施設も敷地内のプラントです。構内を自転車や車が行き交っています)

(大きな機械プラント。敷地内全体にお米のふんわりした香りが漂っています)

米ぬかから作られるこめ油。少ししかとれないという油ですが、その後に残る米ぬかはどうなるのか、岡崎さんに質問してみました。
「築野食品工業では、油をとった後の米ぬかや、精製過程で取り除いた成分などの副産物も製品化し、あますところなく利用しています」とのこと。すごいですね!

たとえば、「リン」は肥料や飼料に、お米のビタミンである「イノシトール」は栄養ドリンクや粉ミルク、化粧品原料などに、お米のポリフェノールである「γ‐オリザノール」は医薬品や化粧品原料に、「脂肪酸」は植物由来インクの原料に…。身の回りの様々な場面に米ぬかの副産物が使われています。

また、築野食品工業でも、様々なオリジナル商品を展開。業界トップシェアのこめ油以外にも、米粉とこめ油を利用したグルテンフリーシリーズ「コメトコメ」、お米の美容成分をたっぷり配合したオリジナル化粧品シリーズ「イナホ」を販売しています。「環境に優しい製品が人々の健康と美に繋がる」をコンセプトに米ぬか製品の開発や販売も行っているのです。

思いがけず世の中の隅々まで広がっている印象の築野食品工業のこめ油と米ぬか製品。もともと捨てる部分であった米ぬかをフル活用して、これだけたくさんの製品を作り出していることに驚きが隠せません。今さかんに言われている「SDGs」の取り組みに密接に繋がっていると感じました。

これから全5回にわけて、築野食品工業の商品や魅力をご紹介します!

この記事を書いた人

和歌山道の駅ドットコム編集部

和歌山県内35駅の道の駅すべてを取材し、地域ごとに異なる魅力を発信。 記事では編集部が直接訪れた場所や、スポット、グルメ、体験の中で皆様に特におすすめしたい情報を掲載しています。

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