真夏の熊野本宮大社旧社地・大斎原(おおゆのはら)を散策
田辺市街から国道311号をひたすら走り、本宮地区に入るとすぐに右手に見えてくるのが熊野本宮大社旧社地・大斎原(おおゆのはら)です。ここを通り越して車で5分ほど行くと、道の駅奥熊野古道ほんぐうがあるのですが、そのさらに向こうは奈良県十津川村という和歌山県の県境にあるのが本宮です。
大斎原とは何かというと、明治22(1889)年にここが大洪水にあうまで、世界遺産・熊野本宮大社の社殿があった場所です。今の社殿は水害から逃れられるよう石段の上につくられており、大斎原から歩いて階段を登って…移動すると15分程度かかります。
太古の昔、神が舞い降りた場所であるといわれる大斎原。今は高さ33.9メートル、幅42メートルの巨大な鳥居が建てられています。この大きさ日本一の大鳥居が建てられたのは2000年。「熊野から人々の安泰や世界平和を」との願いを込めて、建立されました。
この大斎原は周囲が水田で、近くには川も流れていることから、季節によってかなり風景が違います。今回は真夏の散策の様子を写真に撮ってきたので、真夏の大斎原の雰囲気をお伝えできればと思います。
大斎原とその周囲の水田の様子(8月上旬)
大斎原への参道は、水田に囲まれています。真夏に行くと、稲にはお米がしっかり実り、豊かさが感じられる写真が撮れました。
稲を植えてすぐの時期に行くと、水田に映る大鳥居が見られるそうです。それも何だか神秘的ですね。8月の半ば以降、お盆をすぎると順番に収穫されるそうなので、しっかり実った稲穂と鳥居の風景を見たいときは、8月上旬がオススメです。
この田んぼで収穫されたお米の中のもち米は、「釜餅」という名物まんじゅうに使われます。
↑過去、冬に訪れたときに釜餅を買って食べました。すごく1つが大きくどっしりとしていて、しっかりと練り込まれたよもぎの味がしました。
大斎原は熊野川・音無川・岩田川の合流点。河原も散策できる
実はこの撮影後、8月のお盆期間に本宮は大雨の被害があい、橋に被害が出るなどしているとのことなのですが、私がでかけたときは水位も非常に低く、穏やかで、川に入って楽しむこともできました。
社殿跡を参拝したあと、川へ抜ける道が目に入ります。
川に出てみると、釣りをされている方がお2人。石がゴロゴロしているので、裸足では歩いて移動できません。
透明度は最高です。暑すぎて川の水もぬるめでした。
河原には石積みも
賽の河原に見立てているのか、石がたくさん積まれていました。
熊野本宮大社にはたくさんの人が集まっているのに、この河原には私と友人と釣りのお2人だけ。あたりはシーンと静まりかえっていて、その神秘的な雰囲気に魅了されました。
世界遺産センターからはプールが見えて涼しげ
ここまできたら、やはり寄っておきたいのが和歌山県世界遺産センター。世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」について学び、資料を見ることができます。
駐車場やバス停があり、立派な建物が2棟建っています。中には図書コーナーもあり、少し調べ物をしたいときにも役立つスポットです。夏は涼しいので、ここで涼を取るのもいいですね。
世界遺産センターから外を見ると、プールと大鳥居が見えました。このまちで育つ子どもたちにとっては、この風景が当たり前なんですね。
熊野本宮大社への参拝は階段があってなかなか大変かもしれませんが、周囲の散策は夏ならではの風景が見られます。夏の本宮もステキなので、ぜひ旅の目的地の一つに選んでみてください。
熊野本宮大社へ参拝したあとは、かき氷が参道のお店で食べられます。真夏は格別ですよ。