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その他観光 2022.05.09

和歌山の秘境!歴史の隠れ里「杉野原」と雨錫寺阿弥陀堂

和歌山県の中央部を東西に流れる有田川に沿った有田川町は、自然豊かでとても広いまちです。有田みかんの一大産地であり、かつ高野山麓の重要な土地として開発された歴史を持ちます。

(写真提供:田中純子)

有田川町は3つのエリアに分かれているのですが、そのエリアの中でもいちばん高野山寄りであらぎ島や「道の駅あらぎの里」や「道の駅しみず」などがあるのが「清水エリア(旧清水町)」です。その清水エリアのいちばん高野山寄り、東側にある地区が杉野原地区です。

 

杉野原地区は有田川町と紀美野町、かつらぎ町などの境にあり、「歴史の隠れ里」と呼ばれる秘境の里です。「道の駅しみず」から真っ直ぐ高野山に向かって車で20分ほど走った場所にあります。高野山とのつながりが非常に深い場所で、杉野原から高野山にのぼっていく道もあります。

 

その杉野原地区の中心部に位置する雨錫寺(うじゃくじ)は高野山真言宗の寺院です。

山の中腹に位置しているので、お堂まで上がるには結構きつい坂道をのぼる必要がありますが、境内からは杉野原の集落を一望できます。このあたりのビュースポットとして観光の方々がいらっしゃる場所でもあります。また、有田川に沿った緑深い立地であるため、桜や紫陽花、紅葉など、四季が感じられる風景を楽しむことができます。



国指定重要文化財の雨錫寺阿弥陀堂

雨錫寺の中には、国指定重要文化財である雨錫寺阿弥陀堂というお堂があります。茅葺屋根、寄棟造の五間堂で、仏像を安置する須弥檀(しゅみだん)と厨子(ずし)以外に間仕切りがない開放的な建物です。


平成7〜9年に行われた解体修理の際に敷地内の発掘調査も行われました。雨錫寺の案内看板によると、発掘調査の結果、雨錫寺阿弥陀堂は以前に建立されていた同規模の建物が焼失されたことによって新たに建てられたお堂であることが判明したそうです。移築された時期は永正11年(1514年)だと考えられています。

▼雨錫寺公式ホームページ

http://www.eonet.ne.jp/~improve/

伝統芸能「御田舞」の舞殿でもある阿弥陀堂

雨錫寺阿弥陀堂で行われいた「杉野原の御田舞(おんだのまい)」は室町時代に始まったと言われている伝統芸能で、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。

年の初めに田起こしや稲刈りなどの稲作の過程を模倣して演じ、稲の豊作を祈るという正月行事です。人口減少により2018年に行われた舞が最後となり、現在は休止されていますが、御田舞はこの地域の方々が伝統を守り続けてきた証です。雨錫寺阿弥陀堂の歴史の深さが感じられますね。

この杉野原で体験やガイド活動をされているのが、雨錫寺近くの農家民泊「-KI・TO・RA-」さんです。

(写真提供:田中純子)

オーナーからこの土地の歴史などとてもおもしろいお話が聞けますので、杉野原に行かれるのであればぜひお電話で問い合わせてみてください。

https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/070300/gt/taikenyado/kitora.html

 

この記事を書いた人

まんたにえみ

株式会社Crop代表取締役&ライター。和歌山のことなら詳しいです。情報発信を支援する会社をしつつ、個人で和歌山の情報を各種メディアで発信中。Googleローカルガイドはレベル8。