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その他観光 2022.02.26

紀ノ川にうかぶ「船岡山」は関白も遊んだ万葉以来の景勝地

道の駅「かつらぎ西(下り)」から紀ノ川へ向かって車を走らせること約15分、川幅の広い紀ノ川の流れを二つに分けるように緑豊かな中州が浮かんでいます。これが「船岡山」。別名を「蛇島」「中山」とも呼ばれています。

 

平安貴族も遊んだ万葉以来の景勝地

 

船岡山は標高60m、東西500m、南北125mの山。島の外周には遊歩道が整備され、20分ほどで一周することができます。和歌山出身の作家・有吉佐和子の小説「紀ノ川」が映画化されたときのロケ地にもなりました。

 

時代は遡って1048年、平安時代に権勢を誇り、宇治の「平等院鳳凰堂」を造営したことで知られる関白・藤原頼道が高野山参詣の帰途にこの地に立ち寄り、舟遊びを楽しんだこともあるのだそう。紺碧の紀ノ川に映える紅葉を楽しんだと言い伝えられています。都人も喜んだ紅葉はさぞ鮮やかだったのでしょうね。

 

また船岡山をはさんで、南北両岸に「妹山(いもやま)」「背山(せやま)」が並び立っていることから、旅人たちは夫婦や恋人、兄弟姉妹を思う和歌をこの地で詠んできました。「万葉集」にはこの妹背山を題材にした和歌が多く収載されています。

 

蛇との縁が深い「厳島神社」

島内には「厳島(いつくしま)神社」があり、「市杵島姫命(弁財天)」が祀られています。船岡山の島全体が神社の境内です。

 

 

船岡山が「蛇島」とも呼ばれる由縁としては、この弁天様の使いがヘビだったという説、弁天様に会うために隣の切腹山に住む大蛇が訪れたという説、また洪水で紀ノ川が増水したときに大量の蛇が流れ着いたからという説などが残っています。この地でロケをした映画「紀ノ川」にも、白蛇が印象的なシーンがありますよ。

 

山の南側からは長さ約80mの吊り橋が架かっており、歩いて入れます。

 

紀ノ川の南岸を走る県道13号線沿いに駐車場があるので、そこに車をとめて歩くといいでしょう。

 

万葉の昔から歌枕となってきた景勝地「船岡山」。紀ノ川の悠々とした流れを眺めて古人の感性に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

 

訪れる際は、公式ホームページなどで最新情報をチェックしてください。

https://goo.gl/maps/kGkDnb1hKXA4wD7b6

この記事を書いた人

二階堂ねこ

奈良育ち、大阪の出版社勤務を経て、結婚を機に和歌山に。在住約20年を数え、もうすっかり和歌山人のつもりです。海のある街に猫と住む夢が叶ってごきげん。取材やインタビューをメインに活動しつつ、地域の魅力を発信したいフリーライター。

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