川の上を通るかんがい用水!大正時代に造られたレンガと石貼りのアーチ型水路橋「龍之渡井」
道の駅「青洲の里」から徒歩15分程度のところに、「小田井用水」と呼ばれるかんがい施設の一部である「龍之渡井(たつのとい)」があります。龍之渡井は、大正時代に建造された石貼りとレンガ造りの水路橋。ノスタルジックなその姿を見に訪れてみました。
川の上を水路が走るクラシックな水路橋「龍之渡井」
青洲の里から田園地帯を歩いて約15分ほど、国道480号線沿いに出たところで、穴伏川にかかる石張りのアーチ橋が見えてきました。これが「龍之渡井」です。川にかかるこの橋に水路があります。
右が歩道、左が水路です。歩道で対岸まで渡れます。
このコンクリート水路に水が流れているはずだったのですが、2022年2月に訪れた際には工事中で水が止められていました!
龍之渡井のレンガ壁ごしに見える穴伏川。立体交差となって川の上を水が横切っているはずだったのですが…。残念です。夏などはさぞかし涼し気なことでしょう。
川の下流側へまわると、龍之渡井を間近から眺められる階段がついています。1919年(大正8年)に建造されたこの美しい橋は、国の登録有形文化財に指定されています。
小田井かんがい用水と龍之渡井の歴史
もともと小田井用水は、1707年(宝永4年)、5代藩主徳川吉宗(後の徳川家8代将軍)の命を受け、土木工事の名手・大畑才蔵が開削しました。この穴伏川の18m余りの川幅に水を渡すにあたり、才蔵は両岸の岩盤を支えに、中間に1本の支柱も使わずに木製の掛樋を通す名工事を成し遂げました。その後の大正時代に現在のレンガ造りの橋へとかけ替えられたものです。
この小田井用水は、300年以上経った今でも、紀ノ川右岸の河岸段丘の水田609ヘクタールをかんがいしています。その歴史、技術、社会的な価値が認められ、2017年(平成29年)には、「世界かんがい施設遺産」に登録されています。
訪れる際は、公式ホームページなどで最新情報をチェックしてください。
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