田辺の市街地から間近にある奇景・奇絶峡の渓谷美
奇絶峡(きぜつきょう)は田辺市の中央を流れる会津川の上流にある渓谷です。吉野熊野国立公園内にあります。東岸には高尾山、西岸には三星山がそびえたち、絶壁に挟まれた渓谷は約2㎞にも及びます。
無数の巨岩や奇岩が点在しているのが奇絶峡の特徴です。
写真を見ると大変奥深い自然の中にあるのですが、道の駅「 紀州備長炭記念公園」から県道29号線に沿って車で走れば渓谷の入口には約5分で到着します。
そこから不動の滝など渓谷の奥まで川沿いの歩道を歩くとすると2kmの道のりがあるので少々時間はかかりますが、雄大な渓谷美を眺めながらの散策は子どもから年配の方まで幅広い年代に親しまれています。
奇絶峡の奇岩
そもそも奇絶峡に巨石、奇岩がたくさんあるのは、険しい山に挟まれた場所であるため、山からゴロゴロと転がってきた岩石が集まってしまったからといわれています。
本当に大小さまざまな岩、石を見ることができます。
奇岩の中には少し変わった形の岩も存在します。例えば大人(おおびと)の足跡と呼ばれている岩石は、むかし大人が高尾山に腰を掛けて田辺湾で足を洗うとき、片足をこの岩にかけて踏んばって足跡をそのまま残したと伝えられています。
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不動の滝
秋津川に架かる滝見橋を渡っていくと目の前に「不動の滝(別名:赤城滝)」が現れます。滝のすぐそばまで行くことができるので、夏に滝しぶきを感じながら涼しむのも風流でいいですね。暑い中歩いてきて、滝の前に立つとマイナスイオンを浴びている満足感があります。水量は日によってまちまちです。
不動の滝の滝かげにある社には不動明王が祀られています。この不動明王堂は自然の岩場に作られていて、畳が敷いてある室内からも、窓越しに滝の流れを見ることができます。
山を登った最上部には、大きな一枚岩に「磨崖三尊大石仏(まがいさんぞんだいせきぶつ)」が刻まれています。画家・堂本印象の原画をもとにして作られたもので、一枚岩の大きさは高さ16m、幅22mという迫力。中央が阿弥陀仏、左が観世音菩薩、右が勢至菩薩と、三体の石仏が並んでいます。奇絶峡と並走する県道29号線からも、山の斜面にはっきりと石仏の姿を拝むことができます。
春は桜、秋は紅葉など、四季折々の風景美を楽しめるのも奇絶峡の魅力です。マイナスイオンをたっぷり浴びて、身体も心もすっきりリフレッシュ。田辺の市街地からもかなり近い景勝地で駐車場もあります。ぜひ足を運んでみてください。