「鯨とともに生きる」太地町、梶取崎灯台の夕暮れ
梶取崎(かんとりざき)は太地町内にある岬です。吉野熊野国立公園にも指定されています。
位置としては太地半島の西に突き出た部分で、美しい日の出・夕暮れが見られることから和歌山の朝陽・夕陽100選にも選ばれています。
一帯が広い公園になっていて灯台や「くじら供養碑」、「古式捕鯨狼煙場跡」などがあります。
太地漁港や道の駅たいじからは住宅地を抜けて、車で約10分ほど。
太平洋を一望できること、太地町の鯨の歴史を感じられる場所であることから、観光スポットとしても人気が高いスポットです。
芝生を抜けて灯台を目指す
駐車場から灯台までは結構距離があります。
一面芝生になっており、きれいに整備されています。
海へ向かっていくと、様々な案内看板があり、この場所について知識を得ることができます。梶取崎は捕鯨の歴史を色濃く残す土地でありつつ、砂岩層が作る絶壁が見られる地質的な見どころでもあるため、太地町に来たらぜひ立ち寄ってほしい場所です。
この灯台は江戸時代に明かりが灯されたのが始まりといわれていて、とても長い歴史があります。江戸の頃から黒潮が流れる熊野灘を航行する船の目印になっており、捕鯨船にとっても無くてはならないものでありました。
また、捕鯨の指揮をする「山見」の場所でもあり、その跡地を示す碑が建てられています。
▲「古式捕鯨梶取﨑狼煙場跡」と書かれています。
見晴らしがいい場所であり、クジラが回遊する海に近いことから、ここが山見の要所とされていたのだと思われます。岬の先端ですが遊歩道があり、きれいに整備されているので歩いて行くことができます。
「くじら供養碑」も建立されている
公園の一角には、クジラへの感謝と供養の意味を込めた「くじら供養碑」が建てられています。その大きな姿に圧倒されます。
クジラによってこのあたり(太地に残る言葉では七浦)は潤い、繁栄してきました。
捕鯨に関わる人たちはクジラに感謝の気持ちを持ち、供養してきたのです。この碑には今も捕鯨OBが集まり、「くじら供養祭」が行われています。
捕鯨の歴史は長く生活に根付いてきたことから、今もさまざまな伝統が継承されていて、太地に行くとその伝統、文化に触れることができます。
この梶取崎は景勝地でありながら、その捕鯨文化を肌で感じられる場所です。
ぜひ立ち寄って、岬から海を眺めてみてください。
▼GoogleMAPのポイントはこちら
https://goo.gl/maps/HaQL9YfQfcoBmuHE8
道の駅たいじでは日本遺産「鯨とともに生きる」の企画展示が実施されているので、もっと詳しく知りたい方は立ち寄ってみてください。太地をより一層深く知ることができます。