和歌山の冬はジビエの季節!地元ジビエ肉を扱う工房「めつげらいさかもと」へ行ってきた
和歌山県では12月から2月まで「わかやまジビエフェスタ」が開催されます。近年恒例のフェアで、2022年も93店舗を対象に、12月1日から実施されます。
豊かな自然がある和歌山の山中で育った”わかやまジビエ”。和歌山県内のほとんどの道の駅でジビエ肉やジビエ肉の加工品の販売がありますし、冬場を中心に多くのレストランでジビエ料理が提供されます。
ジビエ肉の加工施設も県内にいくつかあるのですが、その中から「わかやまジビエフェスタ」にも参加されていて、高野山麓で手作りソーセージとハム、ジビエに特化したお肉屋さんをされている「めつげらいさかもと」の工房兼店舗を取材しました。商品は道の駅くしがきの里等でも販売されているのですが、商品が売れて品薄状態のときも。
工房でのお仕事の様子を見せていただいたのですが、めつげらいさかもとの店主・阪本さんは本当に実直にお肉に向き合われていました。ジビエ肉のよいところがしっかり生かされたソーセージも最高においしかったです。
※メツゲライ(Metzgereimite)はドイツで自家製ハム、ソーセージ屋を指す言葉です
花園の地元ジビエ肉を加工、販売する「めつげらいさかもと」
阪本さんは過去にドイツで修行し、ドイツの国家資格である肉職人(ゲゼレ)を取得した肉の達人です。そのスキルを活かし、ジビエの活用を模索していたかつらぎ町・花園で地域おこし協力隊として3年間活動し、自身の工房を立ち上げたのは2020年12月です。
とても楽しいお話を聞かせてくださった阪本さん。真摯にお肉と向き合いながら、わかりやすく楽しくお話をしてくださる人柄にファンも多いとのこと。納得です!お肉のこと以外も、花園のことをたくさん教えて下さいました。
自然豊かな環境にある工房でソーセージづくりが始まると、煙突から白い煙が立ち上ります。「山のお肉屋さん」というテーマぴったりの光景が見られて、感激しました。
猟師でもある店主が取り組む、地産地消の「山のお肉(ジビエ)」の提供
肉職人の肩書だけでなく、猟師の顔も持つ坂本さん。豊かな和歌山の自然の中で育ったシカやイノシシを自ら仕留たり地元猟師さんから譲り受けたりした後に、丹精込めて加工し、私たちに届けてくださいます。
地元で捕れたシカやイノシシを食べるのは、山間地域の文化です。ジビエ料理の広まりは、その食文化を残し発展させながら、年々深刻化する野生動物による農作物への被害で悩まされている地域を救う役割も果たします。
花園でも獣害は住民を悩ませる地域課題のため、その解決策としてジビエ肉の利活用に期待が高まっています。阪本さんはお肉の安定的な確保や持続可能な工房運営のために、地元猟師さんとも丁寧に関係性を築いておられます。野生のものを捕獲するところからスタートするのですから、本当に規模が壮大だと思いました。
手さばきが早すぎ!あっという間にお肉がソーセージに
手作りソーセージは、ミンチにして寝かせておいた粗挽きのお肉を腸に詰めていきます。この写真のソーセージは↓、イノシシ肉を使ったソーセージでした。イノシシ肉には牛や豚の数倍のタウリンが含まれていて、疲労回復効果が期待できます。
ソーセージづくりの中で要となるのは味付けやお肉の挽き方ですが、おいしさの追求はもちろん、できるだけ「ジビエ料理らしさも残したい」と、塩加減やお肉の調整に余念がありません。
素早すぎて写っていなかった、ソーセージづくり。一つひとつ長さを確認しながら、クルクルッとひねっていきます。燻製にして、仕上げに近づきます。
火が通ったら、しっかり冷却。自然に囲まれた花園地区ですから、お水もスキッと清涼でおいしそうですね。
できたてを食べさせていただきました!パリッとジューシー、ちょっとレバー味もあるような気がします。塩もツンツンしていなくて、お肉の重厚な香りもあるのに食べた後は爽やかな感じも…。毎日でも食べたい、重みのない味でした。見つけたら、皆さん必食です!!
「めつげらいさかもと」の商品を買うには?
道の駅くしがきの里には販売コーナーがあります。そのほか、店舗で直接買うこともできるのですが、不定休のため電話連絡してから来店してください。
商品情報は公式Instagramでも情報発信されています。こちらもぜひチェックして、お気に入りの商品を見つけてくださいね。
https://www.instagram.com/p/CZIjTgBB6Rm/