景観「あらぎ島」と清水の偉人・笠松左太夫
1600年代に清水地区にいた有力者・笠松左太夫が開発した「あらぎ島」。
笠松左太夫は、山間部で条件の悪い土地であった清水地区の水が通ってなかった場所に私財を投じて灌漑水路をつくり、周辺の振興に尽力した偉人です。
(写真提供:田中純子)
水が非常にきれいなことから紙漉きの技術を取り入れて、今も清水で続く「保田紙」を創った人物でもあります。
和歌山を代表する手漉き紙である保田紙は、東京都にある紙の博物館の全国の紙を紹介するコーナーでも大きく取り上げられていました。和歌山県民でもその存在を知る人は少ないですが、紀州徳川家の命を受けて生産が始まった歴史ある和紙です。
笠松左太夫のつくった水路は今も
あらぎ島周辺を歩くと、山の中を走る水路があります。
あらぎ島へ流れる用水路は「上湯(うわゆ)用水路」と名前がついていて、その全長は3.2km。現在はコンクリートで補強されていますが、今もこの地区の田んぼへ水を流す重要な役割を果たしています。
▼上湯用水路等については有田川町の公式ホームページをご確認ください
https://www.town.aridagawa.lg.jp/aragijimakeikan/component.html
笠松左太夫の流れを組む笠松家の古民家、一軒宿として人気に
笠松左太夫がこの土地にいたことを感じられる「笠松左太夫頌徳碑」がありますが、もっと身近に感じられるスポットがあります。あらぎ島すぐそばの「笠松亭」です。
笠松亭は、もともと笠松家の住宅だった明治の建物。
水回りなどかなりクオリティ高くリノベーションして一軒宿として貸し出しています。この笠松家の住宅でも紙漉きが行われていた歴史があり、清水地区の伝統・歴史を肌で感じられる場所となっています。
(写真提供:田中純子)
笠松亭にはきれいな川の水がひかれています。
あらぎ島を余すこと無く体感できる場所なので、泊まってのんびりされるご家族も多いそうです。
▼笠松亭の概要や予約は公式ホームページから
http://ag-w.org/kasamatsu
あらぎ島は日本有数の価値ある景観といわれていますが、それは裏側にある歴史も相まってのこと。あらぎ島周辺には歴史を紹介する看板も数多くあります。
ちょっと立ち止まって目を通し、清水地区の歴史を感じてみるとより楽しい散策・ドライブになると思います。