静かな海に癒されたい人へ。みなべ町の隠れ人気スポット「千里の浜」
南高梅(なんこうばい)が有名なみなべ町。
全国の梅の収穫量の約65%を占める和歌山県の中でも特に「梅の町」として広く知られています。
一般客が観光できる巨大な南部梅林もあり、2月には梅の花見も楽しめる場所です。
そんな梅づくしのみなべ町ですが、実は熊野古道が通っていたり、ウミガメが産卵する豊かな浜があったりと、昔から人と自然が共存する場所でした。
今回はみなべ町の密かな景勝地「千里の浜」に行ってきました。
短歌にたびたび登場する景勝地・千里の浜
アクセスと駐車場
千里の浜はみなべICから車で約10分、道の駅みなべ梅振興館から車で約9分のところにあります。
場所は少々ややこしいです。Googleマップで千里の浜をゴールに設定すると「和風レストランくーる」のところを左折(北から来る場合は右折)するよう案内されます。
そこからひたすら農道らしき道を進んでいくと「千里観音はこちら」というような看板が見えてきます。
道を進み切ると、千里観音の駐車場が見えてきます。広いので混雑することはないと思います。
千里の浜はこの看板の横を降りていった先にあります。
えびす神社、ウミガメ館、千里観音の横を通って千里の浜に出ます。
立派な門があり、ここを抜けると千里の浜です。
反対(海側)から見るとこんな感じです。
海に続く道にお地蔵さんが並んでいます。
藤原定家も歌に詠んだ景勝地
浜に出ると、このように美しい浜辺が続きます。
ウミガメ館の記事でも紹介しましたが、ここはアカウミガメが産卵に来る貴重な場所です。
その昔、千里の浜は熊野詣の際に初めて通る海岸ということで、参詣者の目を癒し大変喜ばれたと考えられています。
「伊勢物語」「枕草子」「大鏡」「新古今和歌集」にも千里の浜が登場し、昔から有名な景勝地として知られていたようです。
藤原定家が後鳥羽上皇の参詣に随行した際ここを訪れ、後に近露で開かれた歌会で次の歌を詠みました。
「くもきゆるちさとのはまの月かげはそらにしぐれてふらぬしらゆき」
(訳)雲が消えた千里の浜の月の光は空に時雨れて、降りはしないが、白雪のようです。
(「み熊野ネット」より現代語訳を引用)
電車を撮るのによいかも?
千里の浜からはJR紀勢本線(きのくに線)の線路が見えます。
電車の中からの眺めも海が見えていいのですが、浜から電車を撮るのもいいかもしれません。
カーブを曲がってくる電車と海と浜辺。シャッターチャンスを狙ってみてください。
ゴミの持ち帰りや危ない場所に立ち入らないなど、マナーは守ってくださいね!
梅のイメージが強いみなべ町ですが、実はこのような海辺の景勝地もあります。
静かな場所なので一人でのんびりしたり子供と遊んだりするのにちょうどよいかもしれません。
みなべ町にお越しの際は海辺にも足を運んでみてはいかがでしょうか。