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2022.11.30

かつらぎ「紀州食品」で国産ミカン缶詰製造への情熱とこだわりをインタビュー

食品ロス問題や食材のよりよい活用の視点から、近年注目を集めているのが常温で長期保存できる「缶詰」です。お土産としても買って帰りやすいため、道の駅など観光客が立ち寄る土産物コーナーでも取り扱いが増えています。

これまでの自宅消費の枠を超えて幅広い形で親しまれるようになった「缶詰」。けれど、実は国産ミカンの缶詰は非常に珍しいレアなものとなっているのをご存知でしょうか。私たちがスーパーなどで見かける缶詰は海外産のものがほとんど。国産ミカンをはじめ、国産のフルーツを缶詰にする製造企業はかなり減ってきています。

海外産のミカン缶詰に押されながらも、和歌山・かつらぎ町に一般販売向けの国産ミカン缶詰をずっと丁寧に作ってきている企業があります。1936年創業の「紀州食品」で、業界のトップランナーとして走り続けている、歴史と技術力のある企業です。

今回はミカン缶詰やジュース製造のこだわりや熱い思いについて直接伺う機会をいただきましたので、レポートします。紀州食品の商品は道の駅紀の川万葉の里や道の駅かつらぎ西などのお土産物販売コーナーで購入できるほか、人気テレビショッピング番組でも大人気とのこと。また、ふるさと納税の返礼品にもなっています!

私も道の駅で買って食べてみましたが、ミカン本来の甘酸っぱさが残っていて甘すぎず、「こんなにきれいに剥いてくれたミカンを食べられるなんて楽だなぁ!」と思いました。普通のミカンを食べているようです。

昭和11年創業、フルーツの収穫期に合わせ缶詰を製造

かつらぎ町に本社と工場を構える紀州食品。実はほとんどの商品がBtoB向け(業務用)で、全国の製菓メーカー、ケーキ屋さんなどで使われています。ミカンの缶詰は主力商品ですが、他にもモモ、ウメ、チェリーなどさまざまなフルーツの加工をされています。

皆さんの身近にあるゼリー、ヨーグルトなどに紀州食品さんのフルーツ缶詰が使われている可能性はけっこう高いかもしれません。

↑いちばん後ろの大きいサイズの缶が業務用です。そのほか、果実のペースト、ピューレなども。中には国外へ旅立つ製品もあります。

応接室には、昭和時代の工場の様子が描かれた絵が飾られていました。今も加工工程はこの絵に描かれているものとほとんど変わっていないそうです。

ミカン缶詰はミカン本来の特徴を残し、愛される味を追求

一般消費者向けの主力商品であるミカンの缶詰は、和歌山県産が半分くらい使われていて、多い日には1日あたろ30トンのミカンを加工されているとのこと。「缶詰は材料ありき」とこだわり、国産ミカンを徹底して使うだけでなく、その味にも紀州食品らしさを追求し、表現されています。

「ミカン本来のおいしさは、糖と酸のバランス。缶詰にしたときもミカンそのもの、本来の味が楽しめるように甘いだけではなく酸っぱさも残るようシロップを調整しています。缶詰の製造工程で欠かせない殺菌も技術力を駆使して低温殺菌。ぷりっとミカンそのものの食感も残り、おいしく仕上がると思っています」と教えてくださいました。

農家さんが丹精込めて作ったフルーツを、丁寧に加工されているのがすごくよくわかりました。特にミカンは「捨てるところがない」そうで、缶詰にして残った皮は乾燥させて陳皮に。中の皮は増粘剤として活用されているそうです。これこそSDGsですね!

自然な味を守るためシロップにも砂糖を使い、でんぷんから作られた液糖は使っていないとのこと。農家さんへのリスペクトも感じますし、その技術力と熱意で味を支えてきておられるのだなと思います。大手メーカーからも引き合いが多いというのは信頼の証ですよね。

缶詰以外のジュースやつぶあんも道の駅で人気

ジュースなど缶詰以外の加工商品は、基本的に地元・かつらぎ町の道の駅や、産直市場「よってって」等の限られた場所でのみの取り扱いです。

道の駅かつらぎ西(下り)のアンテナショップで買ったジュースは、1リットル近く入って830円!!めちゃお手頃価格です。開封するだけでミカンの甘酸っぱい香りが広がり、食欲がそそられます。

うんしゅうみかんジュース(ストレート)

(原材料名:うんしゅうみかん(和歌山県) 内容量:970ml 価格:830円)

そのほか、缶ジュース、ジャム、つぶあんなどもかつらぎ町内の道の駅で取り扱いがあります。

実は”つぶあん”が地元の方々からは密かに人気があるとか。

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国内製造で安心の缶詰、ジュース。ぜひフルーツ王国かつらぎ町に立ち寄られたら、お土産物としてお買い上げになってみてください。タイミングによっては、「あら川のモモジュース」「八朔の缶詰」など、全国的にもレアな製品に出会えるかもしれません。

紀州食品からの直販は行っておられないため、道の駅等でご購入いただくか、ふるさと納税でオーダーいただくか、他の販売業者さんを通して販売されているものを買っていただく形で手に入ります。

珍しい缶詰製造のお話を聞かせてくださった紀州食品の皆さま、ありがとうございました!私もこれから和歌山県外の友人へのお土産は「紀州食品・うんしゅうみかんジュース」にしたいと思います。

 

この記事を書いた人

和歌山道の駅ドットコム編集部

和歌山県内35駅の道の駅すべてを取材し、地域ごとに異なる魅力を発信。 記事では編集部が直接訪れた場所や、スポット、グルメ、体験の中で皆様に特におすすめしたい情報を掲載しています。

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