秘境好きにはたまらない!熊野古道・中辺路のクライマックス、伏拝集落を散策
伏拝(ふしおがみ)は本宮町にある静かな集落です。この集落は熊野古道・中辺路の終着地点である熊野本宮大社に非常に近く、昔はこの集落の山の上から熊野本宮大社(大斎原)が望めたといわれています。今は熊野本宮大社が場所を移してしまったことから、その姿を見ることはできません。
熊野本宮大社を望むことはもうできませんが、伏拝から見える熊野の景色は山々が連なり、人工物ほぼ見えず、昔から変わらぬ美しさが残っています。
この伏拝という地名も、熊野古道・中辺路を歩いてきた熊野詣の人々が伏拝の集落から熊野本宮大社(大斎原)を望み、その姿に伏して有難がり、涙したということから付けられたとされます。ほとんど車移動でここまで来た私も感動する景色だったので、長い旅路のあとに見る景色は言葉にならないほどの景色だったと思います。
「美しいむら」、伏拝集落
この伏拝というエリア(集落)は、道の駅奥熊野古道ほんぐうから車で3分ほど、道沿いに真っ直ぐ来たところに入り口があります。ちなみに熊野本宮大社はこの道の駅から伏拝集落とは逆方面に約6分ほど車で走ったところにあります。
県道168号線を道の駅奥熊野古道ほんぐうから十津川村の方面へ車で走るとバス停「伏拝口」が道沿いに見えます。それが目印です。そこから坂道をのぼり、山の方へ進んでいった周辺(徒歩でも数分くらいの距離)が伏拝集落です。
バス停「伏拝口」から少し登ったところには発心門王子から伏拝集落へ降りてくる道があるのですが、その場所には伏拝の集落が描かれた地図があります。
「私たち伏拝の住民は、とおい昔から熊野参詣道と美しい山林や集落を守り、育ててきました。(中略)美しいむらをつくり、守りつづけることこそが参詣者の方々への最高のおもてなし…」とメッセージが書かれています。合わせて、参詣者の方々へ向けた、この伏拝の美しさを守って欲しいというお願いが掲示されていました。
本当に伏拝の集落内は美しく整備されていて、それぞれのおうちも見えるところにゴミを置くといったことはないように見受けられました。Googleストリートビューでは集落内を見ることができます。
常に誰かが通ることを意識して、畑や山道もきれいにされているのかなと感じます。そのため、とても居心地がよく、時間を忘れさせてくれます。
NHKの朝ドラ「ほんまもん」のロケ地も
集落の中にはいろいろな地図や案内板がありますが、その中の1つにはこの周辺でロケが行われたNHKの朝の連続テレビ小説に関する地図も。ロケ地が地図に書かれていました。
本宮町で生まれた主人公の生家としてロケが行われたのは「山中家」という場所です。今も手入れされておうちが残っています。私もそこまで行ってきましたので、また別の記事でご紹介します!
この伏拝は和歌山県の端で、奈良・十津川村との境です。
今は住んでおられる人も少なくなり秘境といえる場所ですが、昔から多くの人がこの場所を往来し、熊野本宮大社を望み、感動を生んできたのだろうなと思うとその歴史の深さに胸が震える思いです。
秘境とはいえ道の駅奥熊野古道ほんぐうから3分という立地で、バスも通っています。
トイレや茶屋もあり、熊野古道歩きも快適にできる場所なので、ぜひ熊野本宮大社まで行かれた際は立ち寄って散策を楽しんでください。