那智勝浦の源泉かけ流し「ゆりの山温泉」は蛇口から湯が流れっぱなし
那智勝浦町にある「ゆりの山温泉」は、国道42号線から少し山を登ったところの、緑に囲まれた静かな場所にあります。加水、加温、消毒等がされていない、かけ流し温泉です。
ゆりの山温泉の案内板によると、この温泉が発見されたのは熊野詣が盛んだったころ。当時は天皇・上皇、宮人などが訪れ、体を癒やしていた歴史のある温泉です。また、このゆりの山温泉がある辺りは和歌山・新宮市出身の文豪である佐藤春夫が愛した土地だといわれています。昔からさまざまな人に親しまれてきた、昔ながらのかけ流し温泉です。
豊富な湯量にびっくり
ゆりの山温泉は日帰り入浴のみで、木造平屋建ての温泉施設です。決して大きくはない建物で、湯船も1つしかありません。けれどその豊富な湯量と泉質からリピーターが多く、地元住民の方々も多く通っておられます。
私が出かけた日に入浴されていたのは、よく来られていると思われる方々ばかりで、慣れていらっしゃる様子でした。そして皆さん長めにゆったりと入浴されていました。
というのも、この温泉は泉温が38.5度とゆるめで、加温されていないので、体をしっかり温めるためには長め入浴がオススメだからです。ついつい何時間も入浴してしまう地元の方々もいるとのことで、観光で訪れる際も、できれば長めの滞在時間を計画してくださいね。私も1時間くらい入浴していました。
入浴している間、すごく驚いたのが、全ての蛇口からドバドバとすごい勢いでお湯が流されていること。私は閉め忘れたのかと思って慌てたのですが、一緒に入っていた方に聞いてみると、そういうふうにしているとのこと。スタッフの方がお忙しそうだったので、直接は聞いていないのですが、その状態がスタンダードなようです。
蛇口からの飲泉や購入して持ち帰りも可能
泉質はアルカリ性単純温泉。リウマチ、皮膚病、眼病などに効果があります。柔らかくまろやかなお湯で、全身を優しく包んでくれるような、気持ちのよい入り心地です。温泉ならではの、ほのかな硫黄が立ち込めています。
この温泉は飲泉も可能です。蛇口から飲むことができます。口に含んでみると硫黄の香りが鼻から抜けるように感じられ、優しい口当たりです。
入浴料は300円。この価格で源泉かけ流し温泉が楽しめるのは、本当にうれしいですね。
2022年3月現在、営業時間は9時〜22時。火曜日が定休です。無料の駐車場も約20台分ありました。国道42号線を曲がって600ｍほどの場所にありますので、長旅の疲れを癒やしに一度訪れてみてください。
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