那智勝浦・大門坂茶屋で平安衣装体験
那智勝浦町の道の駅なちや那智勝浦駅を起点に県道46号線をまっすぐ山手に向かい那智の滝方面へ車で走っていると、那智の滝や熊野那智大社へ向かう熊野古道ルートの入り口の一つである「大門坂」があります。大門坂は南紀熊野ジオパークのジオサイトの一つで、那智山まで一直線に結び、往時の面影が色濃く残る美しい参詣道です。
大門坂の近くには無料駐車場も完備されているため、駐車場に車を停めて、ここから那智の滝〜那智大社まで(所要時間は約1時間程度)歩いて向かう方々も多くいらっしゃいます。
大門坂駐車場から那智の滝へ向かうルートに沿って少し坂をのぼり、大門坂と書かれた石碑を見てそのまま真っ直ぐ100mほど進むと、夫婦杉の手前に「大門坂茶屋」があります。散策中の休憩ポイントとしても利用されていますが、ここで行われている平安衣装体験が観光客から大人気です。
熊野詣が盛んだった平安時代後期、熊野の参道にはとても多くの参詣者が訪れていました。参詣者が作った長い行列は「蟻の熊野詣」と呼ばれ、優美な平安衣装を身に纏った人々が連なって熊野古道を彩っていたとされています(実際にはもっと歩きやすい服装で歩き、大社近くで着替えていたとも言われています)。
平安衣装を着て、熊野古道で記念撮影
大門坂茶屋の平安衣装体験は、そのような歴史ある衣装を身に纏うことで、当時の姿を再現するという体験になっています。
女性の衣装は壺装束と呼ばれるもので、色とりどりの衣装が用意されています。頭に被っているのは市女笠という薄布がついた笠です。男性用の衣装は狩衣(かりぎぬ)と呼ばれるもの。男性は頭に烏帽子を被ります。お店の方が丁寧に着付けしてくださり、所要時間は5分~10分ほど。短い時間で終わるので、気軽に訪れることができます。
茶屋のそばには石の鳥居と朱塗りの小橋、そして少し山を登れば深い緑に囲まれた熊野古道もあり、記念撮影にぴったりです。自然や伝統的な建造物を背景に、思い出の一枚を撮影してみましょう!
那智の滝や熊野那智大社まで平安衣装で行くこともできます
平安衣装のまま、熊野古道を歩いて那智の滝、熊野那智大社まで行くことも可能です(1時間以上かかるため、3時間コースで衣装を借りる必要があります)。
(写真提供:田中 純子)
サイズは子供用から大人用まで用意されていて、3歳から体験可能。老若男女問わず平安衣装をお楽しみいただけます。ゴールデンウイークや夏休みには平安衣装を楽しみに来るファミリーの姿も多く見かけられます。
非日常な体験を楽しみながら熊野古道散策。大門坂茶屋でのみ体験できる他にはない魅力です。自然散策をしたことがある方も、彩り鮮やかな衣装とともに歩く古道では、また違った楽しみが味わえるかもしれませんね!
▼平安衣装体験のご予約や受付時間などの詳細は「大門坂茶屋」のWEBページや公式Instagramを御覧ください。